ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。
2021年09月30日
写真:農業に取り組む人々の成果を現地で見聞きして喜ぶHOLCのジェロムスタッフ(中央、青シャツ)
報告:ジェロム・カセバHOLC 代表
2021年6月8日~7月10日にかけてHOLC 支援地のプウェト、カレミ、ルブンバシ、キンシャサを訪問しました。コンゴ民主共和国においても新型コロナは猛威を振るっており、様々な制限があって訪問は容易ではありませんでしたが、HOLC(ハンズ・オブ・ラブ・コンゴ)のスタッフも地元のパートナーも共に守られて訪問を終えることができました。リーダーのパメラと支援地の人々は家族を支えるために懸命に働いています。
プウェト
私たちも彼らのようになりたいです
支援中の6つのコミュニティでは武装グループによる襲撃もなく、農作業が順調に行われて、今年はピーナッツを90㎏入り計42袋収穫することができました。農業が家族の食料確保に大きな役割を果たしています。グループの人々の働き方にとても満足している地方政府のリーダーが、私たちHOLC に、同じ考え方をプウェトの他の地域にも広めるようにすすめました。さらに3 つのコミュニティが参加する予定で、人々に「なぜこのグループに加わりたいのですか」と尋ねました。「彼らの暮らしが良くなっているので、わたしたちもそうなりたいのです」という答えが返ってきました。他の村の人たちがパメラのグループの変化に気づいて、彼らのようになりたいと思うようになることは、プウェトだけではなくコンゴ全体に良い影響を与えるはずで、私たちにとって大きな励みとなります。
写真:ピーナッツの収穫(プウェト)
[家畜の飼育]
ヤギを所有しているコミュニティはルブアのみでしたが、他の3コミュニティも参加して現在計28頭のヤギを飼育しています。
カレミ
農業再開で村人と国内避難民が結束
ピグミー族とバントゥー族の間で対立が続いていた2019年に私たちの話を聞いてくれた村長と今回会い、ピグミーとバントゥーの国内避難民の両方でできるだけ早く農業活動を始めるように勧めました。村の集会で私たちは、平和と和解なしに持続可能な開発や復興について語ることはできないことを話しました。そして考え方の変革について説明し、すべての国内避難民と村人に、お互いに戦うのではなく、平和についてもっと考えるようにすすめました。その結果いくつかの提案がなされました。
⃝農業活動をできるだけ早く開始する
⃝家畜(小動物)の飼育
国内避難民と村人は、これが彼らの発展と自立を可能にする唯一の方法であり、一緒に働き始めてお互いに話し合うことで分かり合い、結束することができるだろうと話しました。集会の最後には、2021年9 月から農業活動を開始することが決定されました。カレミでは9 月から3 月の雨季にはピーナッツやメイズ、キャッサバなどを育てることができます。私たちは彼らを励まし、9 月にプロジェクトを始めるために再訪問すると約束しました。
キンシャサ、ルブンバシ
食料価格急騰で給食支援が役割を果たす
新型コロナ感染拡大中にもかかわらず、キンシャサとルブンバシでの給食プログラムは順調に行われています。孤児たちは全員守られて、これまでの支援をみんなとても喜んでいました。コンゴ国内の食料価格がほぼ2倍になっている中で、孤児院ではハンガーゼロが食料を支援してくれたことを感謝していました。私たちの支援は孤児たちが安全な場所で守られて、ストリートチルドレンになるのを防ぐ役割を果たしています。
写真:孤児院の給食プログラム(キンシャサ)
地方政府からの期待
昨年プウェトの地方政府がHOLC を含む現地NGO と協力することを決定した時、私はコンゴにいなかったので、今回プウェトの訪問中にプウェトの地方政府のトップに招かれて私たちの活動に満足していることを伝えられました。プウェトの地方政府は、HOLC が様々な村の人々に、他者を頼るのではなく自立することを継続して教えトレーニングすることを望んでいます。地元のリーダーである彼は私たちの活動を知っているので、地域の他の場所でも同じことを進めるように頼みました。彼は「農業、漁業、家畜に焦点を当てることによって人々が食料安全保障の問題に取り組み、自給自足できるようになることを望んでいる」と私に話し、地方政府がHOLC に対して以下の支援をすると述べました。
⃝プウェト領土内で訓練のために移動する許可書
⃝プウェトの中のセキュリティと保護
⃝プウェトから他の村への移動手段(車両)
彼は、地元のNGOと協力して国民が直面している問題に実際に対応する方法を考えているリーダーの1 人です。説明会で私は、地方政府は国内避難民と村人を彼らの農業活動に戻すようにするべきだと話しました。ほとんどの国内避難民と村人は、条件が良ければ以前の活動に戻ることができるでしょう。
写真:HOLCのスタッフ(後列)とカレミのピグミー族
今後の課題
コンゴのような国では、集団での活動によって生計を立て人々の結束を図ることは、国内避難民とコンゴの農村コミュニティの回復力を高め彼らの村への帰還を促進する上でとても重要です。
そのためには誰を支援するかについて地方政府と十分に話し合うことが必要です。食料や現金を支援することは、人々がそれに依存し続け、将来的に深刻な食料不足に直面するようになる可能性があります。地方政府は、人々に地域の結束を促すような農業や漁業や活動に従事するよう奨励すべきです。
2019年に支援をはじめ、国内避難民が現在暮らしているルフンクウェ村では、過去2 年間部族間での争いや紛争はなく、村に戻った人々の間には平和があることを知って私たちは満足しています。2021 年9 月から農業活動への道を開こうとしているカレミのピグミー族とバントゥー族のコミュニティも結束し、持続可能な結果を生み出すことでしょう。
プウェトで新しく形成されたコミュニティは組織に対する理解が深まり、集会や貯蓄や社会的支援などが適切に行われています。また女性が集会に出席して地域社会の変革に加担しているのを見て励まされました。プウェトの一部のコミュニティでは女性のメンバーは男性より活発で声高でした。このため地域の人々に、女性が地域社会に十分貢献できるように最大限の時間と機会を与えるようにすすめました。
写真:プウェト・チャンフグ村の女性たち
最後になりましたが、道路事情が悪いためプウェトへのバスはなくなり、橋が雨で流されたので今後の訪問はランドクルーザーを借りなければ困難になります。
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