コロナ禍での活動地の取り組み | 活動報告|ハンガーゼロ

活動報告

ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。

コロナ禍での活動地の取り組み

ハンガーゼロ海外駐在員のウイズコロナ
小西・酒井夫妻・ジェローム・カセバに聞く

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活動地の新型コロナ感染現状は...

■ 小西 ■  東京都より人口が少ないボリビアで、1月26日現在、毎日2,000 人余りのコロナ感染者が、また100万人当たりの感染者数が日本(2,907人)に比べボリビアはその6.3 倍に上っています。学校は2月に新学年を迎えましたが、昨年は3 月から都市部では一部リモート授業も行われたものの田舎は休校になり、1年間勉強しないままで自動的に進級となったため、保護者を始め私たちは子どもの教育の遅れをとても心配しています。私たちハンガーゼロの支援地域は感染者が少ないですが、高地のアサワニで16 歳のサポートチャイルドが10 月に亡くなりました。
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■ ジェローム ■ コンゴ民主共和国でも感染者が増えて特に首都のキンシャサは深刻です。その中で一番の問題は、手を洗うにしても大多数の人々にとって清潔な水の確保が難しいことです。キンシャサでも水は清潔ではなく、浄化しなければなりません。田舎では毎朝1 時間以上かけて川の水を汲みに行
くか、井戸のある所に行きますが、井戸はお金を払わなければ使えない上、数が少ないので大勢の人がマスクなしでやってきて感染の危険が大きいです。又コロナのために市場は休みになり、市場で物を売ることも買うこともできなくなっています。コンゴでは90%の人が市場で物を売ったり買ったりしてその日その日を過ごしていますので、人々は苦境に立たされています。
また夜9 時から朝6 時まで外出が禁止されていて違反者は罰金または逮捕されます。通常、暑さを避けて朝4時から8時まで行う農作業を6時からしか行えなくなっています。

■ 酒井 ■ フィリピンは昨年3月15日からロックダウン(地域隔離政策)が続いていて、今は外出するときはマスクとフェイスガードをしないと罰金です。また州を越えると2週間の隔離が必要ですので、西ミンドロ島で新しい活動を予定していますが、今年は現地出身のスタッフに委ねる予定です。大学のオンライン授業は受けられる環境にある生徒は少なく、中高生は英語で書かれた教材が配布されてそれで勉強していますが私たちが支援しているマンヤンの学生は、タガログ語の説明がないので四苦八苦しています。
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コロナ禍で市役所が主催した合同結婚式。アルサビ村のカップルも参加(フィリピン)

ワクチン接種については...

■ 小西 ■ ボリビアはロシアのワクチン接種が1 月29 日から始まりました。田舎地域では現代医療やウイルスの存在を信じない人が多いので、受ける人は少ないかと思います。
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高地アサワニのコンフィタル校の生徒にコロナ感染予防講習(ボリビア)

■ ジェローム ■ 接種を受け入れない人が多いです。特に貧しい人たちは、殺されるのではないかと思って誰も受けないでしょう。

活動地に戻れない中で今の役割は...

■ 小西 ■ 2月18 日にボリビアに戻る予定をしてはいますが飛行機が飛ぶかどうかは分かりません。私の役割は、人づくりとチャイルドサポーターのコーディネートですので、スタッフができるだけ動きやすいように配慮しています。今は11 月から徐々に活動地の村に入れるようになったスタッフに個別訪問をしてもらってその報告を受けています。
 昨年の6 月に生活困窮者に食料品と感染予防キットを配布してボリビアの同胞を助けようとボリビアの人たちによる募金キャンペーンを実施しました。多くの協力が得られるか心配でしたが、予定の3,000 キットの3.5 倍分が集まり、今まで手が届いていなかった人々の支援もすることができ、感謝でした。
 12 月からはスタッフを始め、知り合いやラジオ・テレビを通して「ボリビアに安全な水を」という募金キャンペーンを始めています。川や泉から地域に安全な水を供給できるシステムを作るためのものです。このようにボリビアの人たち自身で同胞のために奉仕することが始められてとても嬉しいです。

■ 酒井 ■ 今はビザが切れてしまって戻れない状態です。スタッフとはSNS で毎日連絡を取っていますし会議も行えています。HOLPFI( ハンズ・オブ・ラブ・フィリピン)の活動に私の決済が必要な時は、書類を郵便でやり取りしているので時間がとてもかかっています。活動地のアルサビ村では、住民
たちで移住した土地の名義書き換えや住民登録までもう一歩のところまで来ました。また行政に陳情できるようにもなってきました。ただ3 月末までに今回の税金の支払いがあるのですが自給自足で現金収入のない人たちなので困っています。
現地スタッフは学校の土地の登録ができればHOLPFI は撤退して新しい活動地に移ってもよいのではないかと言っています。勿論その後のフォローはする予定です。

活動地プウェトから嬉しい報告

■ ジェローム ■ 私は1 年に3回コンゴに帰る予定をしていますが現在はだめです。日本でワクチンを接種できたらすぐに帰りたいです。キンシャサとは毎日連絡が出来ていますし、私のサインもオンラインでできます。活動地のプウェトは今まではコロナの影響を受けていません。
 嬉しいニュースがあります。今までコンゴの政府は、国際NGO は先進国のために働いて情報を得ていると考えていて、大きなお金が動く政府関連の援助しか受け入れてきませんでした。ところがプウェトで新政府とNGO とのシンポジウムが開かれて、政府側が活動中のNGO から4 つの団体を選んで協力することを申し出ました。HOLC(ハンズ・オブ・ラブ・コンゴ/代表ジェローム・カセバ)がその一つに選ばれたのです! 政府はプウェトで行われている価値観の変革(援助に頼るのではなく自分たちの可能性を信じて新しい土地で共同で農業を始めている)を他の地域にも起こしてほしい、そして住民に自立するという考えを持ってほしいと言っています。
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㊧政府のプウェト担当者とHOLC のパメラさん㊨ 活動を開始する新たな地区での初会合

サポーターさんに伝えたいことは...

■ 小西 ■ いつもお祈りと温かい応援を本当に感謝しています。支援地域の人々だけではなく、ボリビアの人たち皆の価値観の変革が進んで、同胞が同胞を支えられるようになってほしいと願います。

■ ジェローム ■ 2013 年にコンゴで行われたセミナーから国内避難民の中で新しい価値観が生まれ広がっていることは本当に感謝です。皆さんの支援によって、人々が自分たちで何かを始め、コミュニティの中で互いに助け合うことができるようになってきています。日本の支援者の皆さんやハンガーゼロに心から感謝します。

■ 酒井 ■ 人づくりの働きの成果は目に見にくい中で、継続して支援してくださっている皆さんに心から感謝します。今はその成果をはっきりお見せできませんが、変化は出て来ていて、以前の活動地で私利私欲のために働いていたリーダーが地域の人々のために奉仕していると聞いた時、自分たちのしていることは無駄ではなかったと感じています。支援の成果が見えるのは10 ~ 20 年後になるかもしれませんが、必ず実を結ぶと信じて活動を続けていきたいと思っています。

■ 酒井慶子 ■  アルサビ村で学校が始まったのを見たマンヤンの教会連合の長は「教育を受けていないこの村の人にこんなことが出来たのはまさに神の奇跡だ」と驚かれていたそうです。

●小西小百合スタッフは2月18日、ボリビアに戻るために所定の手続きを終えて無事に出国しました。


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