ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。
2020年08月27日
国連の5つ機関(FAO/IFAD/UNICEF/WFP/WHO)が共同で制作した「世界の食料安全保障と栄養の現状」2020年版によると、世界人口の5分の1 を占める中国を含む13 ヵ国の食料消費の新しい調査データを入手できたということで、より正確な評価として栄養不良の状況にある人数を2000年まで遡って修正されました。それによると昨年、2018年の飢餓人口は8億2,160万人と発表されていましたが、6億8,780万人に変更されました。
一方で2019年には7億5,000万人近くが深刻な食料不安にさらされたと報告しています。中程度の食料不安の影響を受けた人々を合わせると、2019年に安全で栄養価の高い食物を手に入れることができなかった人は、世界の推定20億人でした。
コロナとバッタで食料不足が加速
その上に2020 年には新型コロナウィルスの大流行と東アフリカでの前例のないバッタの発生によって、世界経済の見通しが不明瞭になり、特に弱い立場の人たちを中心に栄養不足に陥る人がさらに8,300万人から1億 3,200万人増加するとの見方が強まっています。
飢餓人口の分布も変化しつつあり、現在はアジア地域が世界の半数以上を占めていますが、2030年にはアフ
リカ地域が半数以上になると予測されています。このような状況からSDGsが開始されて5 年たった今、目標2の" 飢餓の撲滅" の達成は難しい状態です。
【写真:コロナ対策としての食料配給(FH ボリビア)】
【写真:バッタの被害はアフリカからアジアにも拡大】
この目標を達成するためには、人々が栄養価の高い食事を十分に食べていること、そしてそれを手に入れることが可能であることが必要です。このような食事は、必要なエネルギー量を満たすだけの食事の5倍高価であるとされています。従って健康的な食事をとれない人は、現在世界中で少なくとも30億人(世界人口の4割近く)はいると見積もられています。
ハンガーゼロはこのような数字に臆することなく、"1人が1人" に愛の手を差し伸べることで飢餓・貧困に苦しむ全ての人がその困難を克服できると信じて、皆さまと共に出来る限りの支援と励ましを続けたいと願っています。