【モザンビーク】若い農夫を応援する新しい支援の取り組み | 活動報告|ハンガーゼロ

活動報告

ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。

【モザンビーク】若い農夫を応援する新しい支援の取り組み

Young Farmer Partnership
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ハンガーゼロは、2020年4月より東アフリカのモザンビーク・ソファラ州ゴロンゴーザ地区で現地パートナーのハンズ・オブ・ラブ・モザンビークを通して持続可能な農業を目指す若者の支援を始めました。

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【ゴロンゴーザ地区の概要】
 モザンビークは約10 年の独立戦争の末、1975 年にポルトガルからの独立を果たしましたが、翌年から内戦に陥り、戦いは16 年も続きました。1992 年にモザンビーク和平包括協定が結ばれ内戦は終結しました。しかし争いは現在も続いており、反政府レモナ党の拠点だったここゴロンゴーザでは4− 5 年前も激しい銃撃戦があり、2019 年の大統領選挙後から再び治安が悪化しています。ゴロンゴーザの人口は176,845 人(87%が40 歳以下)、面積6,778㎢。大半は専業農家で主にとうもろこしを生産していますが、作物を販売し収入向上につなげている農家は限られています。ゴロンゴーザ には青空市場が一つあるのみで、顧客も町内の人々に限られています。換金作物を効果的に収入につなげていくには、戦略的な計画が必要です。内戦からくる治安の不安定さは否めませんが、土地は肥沃で大きな可能性を秘めている地域です。

非常に狭い社会の中だけで生きる現実...
 ゴロンゴーザ の若者を取り巻く問題は様々ですが、教育の質の低さがその根本にあります。ゴロンゴーザ にはサテライト大学が一校あるのみで、大学や専門学校に進むためには引っ越して自活しなければなりません。生活費と授業料を確保することは至難の業で入学するための倍率も非常に高いため、大半の若者が高校3 年を終えたとしても、自宅の畑を耕し結婚を考える事になります。非常に狭い社会の中で生きているため、様々な可能性に対してもアイデアが乏しく、現在の生活レベルを上げていくには近隣国の新しい取り組みの紹介など、サポートが必要です。
 このプロジェクトでは、新しい手法に対して受容性の高い若者を主要対象とし、若者チームと共に循環型の実演農場を築き上げていきます。地元の方々に実際に農場を訪問いただき、自分の畑に新しい手法を導入する価値を実感していただくことで働きが広がっていきます。若者チームの実践農家への支援により成功例が増え、地域全体へと普及していくことが私たちの願いです。

農業技術
◦土壌改良:土壌劣化を防ぐためコンポストなどを利用し、化学肥料を使用せずに有機的に土壌を改善させる方法を導入する。
◦野菜畑、家畜の飼育、森林を組み合わせた循環型農場を運営する。   
◦持続可能な水源の確保:雨水貯蔵タンクの設置、"gotagota"法(チューブに一定間隔で穴を開けて給水する)など。
◦森林伐採を最小限にする農業を導入する。森林を残し、そこで苗木の栽培をして販売する。
◦「神様の毛布」の導入(土地を耕さずに枯葉などで土壌を覆うことで一定の温度と湿度を保ち、土壌の流出を防ぐ)
◦作物のローテーション:どの組み合わせが一番土壌疲弊を最小化にとどめ、かつ経済的な見返りが大きいのかを試験的に何パターンか試す。

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マーケティング
◦ローカルマーケット:ゴロンゴーザ の町市場で販売できる物を調査し、実施可能な作物を割り出す。マーケットは小さく限られてはいるが、搬送費がかからず個人で販売できる。
◦近隣の会社との取引:シモイオやベイラ、カイアなど、ゴロンゴーザ から150㎞〜 250㎞ の範囲内で販売可能なルートの調査。例えばシモイオでは蜂蜜、カイアでは胡麻の会社があり農民と取引を行なっている。さらに国の第二の都市であるベイラでも様々な可能性がある。
◦自助グループの形成:交渉力を上げるために今後グループを形成する。

[学び]Hands of Love センターで定期的に学びと交わりの時を持ち、聖書的な世界観、新しい農業手法の復習と目的の確認、分かち合いなどを行います。また奨学金制度を設立し、将来の農業を牽引していく若者を応援します。Hands of Love ではすでに2020 年から一人の青年を支援していて、現在Universidade de CatolicaMoçambique で農業を学んでいます。

モニタリングと評価
 日本の窓口となる、ローレンス綾子(元JIFH)が年に1、2度視察しその都度必要な調整を行なっていきます。持続可能な農業が他の農家に普及していくために、定期的な集まりに参加するよう促します。
 農家から農家へと広がっていくことで、土地が肥沃な状態を保ちつつ収量と収入が地域全体的に上がり、ハンガーゼロの元里子(サポートチャイルド)たちが、育った地域に残って人々の生活を向上させていくことを願っています。地域の未来を支えるこれらの若者をどうぞ応援してください。(ハンズ・オブ・ラブ・モザンビーク/ローレンス綾子)

ハンズ・オブ・ラブ・モザンビーク
ソファラ州ゴロンゴーザ地区に拠点を置くキリスト教系の現地NGO法人で2015 年に設立。創設者のカラベティ・エルネスト氏は、国際飢餓対策機構モザンビークで十数年に亘り子どものプロジェクトに携わってきました。2008年に子どもたちの全人的成長を助けるため、自宅で活動を開始、現在は毎年200人を超える子どもたちをサポートするまでに発展しています。この活動から巣立っていった多くの若者たちが社会で活躍し、所属するキリスト教会でも貢献をしています。ローレンス綾子さんは、JIFHモザンビーク駐在員として世界里親会(現チャイルドサポーター)のプログラムマネジャーを務め、カラベティ氏とも5年間共に働きました。2015年の団体正式発足に尽力、以来自身も活動に携わって協力しています。
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【写真】ローレンス綾子さんとカラベティ氏

地域の未来をつくる若者のチャレンジを応援してください 
ハンガーゼロサポーターとなってモザンビークの若い農夫たちの取り組みを応援してください!

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