【フィリピン】西南学院大学 ワークキャンプ体験記2 | 活動報告|ハンガーゼロ

活動報告

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【フィリピン】西南学院大学 ワークキャンプ体験記2

フィリピンが教えてくれた笑顔の大切さ
井上 碧 人間科学部心理学科
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 私がこのワークキャンプに参加した理由は、海外でのボランティアに挑戦してみたいという思いとともに、フィリピンの貧困地域の様子や人々の暮らしを実際に自分の目で見てみたい、というものであった。

 フィリピンに着いて最初に気づいたことは、空港から私たちが泊まる宿へ移動する際、賑やかなマニラから離れるにつれて建物や人、車が少なくなり、街の灯りがなくなっていったことである。これがフィリピンの都心部と田舎の裕福度の差を感じた最初の瞬間であった。

 フィリピンでの生活は、布団の上にはアリがいるし、お湯は出ないし、トイレを流す水でシャワーをするなど、最初は抵抗もあり、日本に比べて便利な生活であるとは言えなかった。しかし、そんなことも忘れるくらい、フィリピンの方たちには笑顔があふれていた。

 様々な活動の中で、現地の方の温かさを感じる機会があった。教会でペイントの作業をするとき、「大丈夫?」と気にかけてくれたり、困ったことがあるとすぐに対応してくれた。また、竹のスティックを作っているお宅へホームステイに行ったときは、手をとって何度も何度もスティックの作り方を教えてくれた。ボランティアをするために行ったはずなのに、いつもフィリピンの方たちは私たちのことを気にかけ、助けてくれた。また、目が合えば必ず微笑みかけてくれることがとても印象的であった。

 貧困とは、辛くて笑顔の少ない生活。このようなイメージをフィリピンに行く前の私は抱いていた。しかし、そんなイメージは11日間でなくなった。皆いつも笑顔で幸せそうだったからだ。それは大人だけでなく、子どもも同じであった。私たちの宿の周りにいた子ども達は、突然やって来た私たちを笑顔で迎えてくれ、おいかけっこして遊んだり、抱きついてくれたり、名前を覚えてくれたりした。活動後疲れて宿に帰って来た日も、子ども達が笑顔で迎えてくれると疲れが吹っ飛ぶようであった。

 フィリピンで、私たちが行ったボランティア活動以上に大切なことを教えてもらった。それは、貧困=不幸ではないということ。笑顔でいることが一番であること。これが、日本で私が一番伝えたいことである。最初は慣れない生活に早く帰国したいと思うこともあったが、最後にはまた行きたいと思うほどフィリピンが大好きになった。ワークキャンプに参加して素敵な経験ができたこと、現地の方や西南のメンバーに出会えたこと、本当によかったと心から思う。この経験を多くの人に伝え、また、今後もボランティア活動を続けていきたい。

ただの7日間
徐連月 神学部神学科
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 出発する前に、学校で何回の事前研修をしました。その時、「個人的に現地の子供たちに物をあげないでください」と先生たちが教えてくれました。現地FHのスタッフさんも同じ言葉をおっしゃいました。彼らが支援する時、支援される側に物をあげないということを心掛けているそうです。彼らはこのことによって、地域の人を自立できるように支援しています。FHは地域の人たちの中からリーダーを育ち、地域の方々が自分たちで開発し、自ら立てることを望んでいるそうです。また、地域の子供たちの教育も心掛けているそうです。図書館を建てて、地域の子供達が本を読む機会を提供しています。小学校に入る前の子供達の教育も担当しているそうです。「全ての子供達が教育を受けられるように」とFHのスタッフさんがおっしゃいました。FHの方が教育の面、生活の面の両方を見て、その改善のために地域に奉仕していることを知りました。彼らがなさっている活動を通して神様の姿を見出しました。

 フィリピンではタガログ語を話しますが、私は現地の子供たちと同じように簡単な英語しか喋れません。お互いが相手にはっきりと自分の気持ちを伝えることが難しかったです。しかし、言葉が通じなくても、共通するものはあります。それは笑顔です。「君と出会って嬉しいよ」の笑顔、私の名前を覚えてくれて嬉しく感じる時の笑顔、自撮りを誘って喜んで写真を撮る時の笑顔、お互いの壁画を「いいね」と褒め合う時の笑顔、食べ方を教えている時の優しい笑顔など。喜び、感動、気になる、心配、理解、尊敬、色んな感情が入っているいるみんなの笑顔が私の心を温めてくれました。活動が終わりましたが、その日その時、みんなの笑顔を今でも鮮明に覚えています。これからはそのような素敵な笑顔を多くの方々に伝えていきたいと思っています。

 私はただ7日間の活動しかしてなかったのですが、フィリピンで色んなことを体験しました。海外で壁塗りと壁画を作成し、グループでダンスを披露しました。メンバー全員のチームワークなど、たくさんのことを学び、考えさせられました。短い期間でしたが、今回の海外ボランティア活動に参加できて良かったです。感謝しています。


11日間での貴重な体験
草柳あみ 人間科学部心理学科
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 私は、この11日間でなにものにも代えられない貴重な経験をしました。もちろん、最初は日本と全く異なる生活様式であるフィリピンになじめるのか、言葉が通じない中でうまくやっていけるかなど不安な事ばかりでした。しかし、現地のスタッフさんや町の人々は本当に温かく私たちを迎え入れてくださり、とても居心地の良い生活を送ることができました。

 11日間フィリピンで生活してみて、フィリピンの人々は常に明るく笑顔で、私たちを当たり前のようにもてなしてくれたり、気遣ってくれたりすると強く感じました。日本に比べて電気や水道設備がきちんと整っておらず、あまり裕福とは言えない中でも自分たちの生き方にしっかりと幸せを見出し、その幸せを私たちにも分けてくれて、本当にフィリピンは素敵な国だと実感しました。また、子供たちとかかわる機会が多くありましたが、言葉はあまり通じなくても表情や動きで伝えてくれたり、名前を覚えてくれたり、かわいくて素敵な子たちばかりでした。フィリピンでの思い出の多くは、子供たちの笑顔であふれています。お世話になった養豚場の方は、仕事を1つ1つ丁寧に教えてくださり、「私たちを家族だと思って」と言ってくださったり、「もっと食べて」とたくさん食事を勧めてくださったりして、初めは養豚場に少し怖いイメージを持っていたけど、ここに選ばれてよかったと心から思えました。すべての出会いが貴重なものになり、まだフィリピンにいたいという気持ちが強く別れの時は寂しい気持ちでいっぱいでした。それだけ、フィリピンが素敵な国だったんだとしみじみ感じます。

 自分の目で見てみないとわからないことが多くあるんだと、今回のボランティアを通して体感しました。実際、私はフィリピンについて何も知らず、こんなに貴重な経験ができるとは思ってもいませんでした。だから、これからこの経験をした自分にしかわからないことを、自分の言葉で少しでも多くの人に伝え、知ってもらいたいと思っています。そして、他の国にも海外ボランティアに行って、その国についてたくさん知りたいです。今回フィリピンのボランティアに参加することができて本当に良かったです。かけがえのない経験をすることができました。ありがとうございました。


あなたへ
中島維吹  経済学部 経済学科
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 この報告書を読んでいるあなた。1年前、私も同じようにこの報告書を読んでいた。何気なく手に取ったそれを見て、私はこのプロジェクトに参加することを決めた。そして活動を終えて帰国した今の自分は、前の自分とは大きく違う。絶対に成長したと強く感じている。だからあなたにも、この報告書を通してプロジェクトに挑戦することへの後押しができたらと思い、このようなタイトルにした。

 まず初めに、フィリピンと言われてあなたは何を思い浮かべるだろうか。私は「貧困」「辛そう」など、非常にマイナスなイメージを持っていた。しかしながら、答えは違った。結論から言えば「幸せ」だった。実際、フィリピンは発展途上国で、日本よりも暮らしにくい。トイレは紙を流せないし、トイレ自体がない家だってある。風呂もお湯は出ないし、そもそも体の洗い方がわからない人だっている。けれでも私は「幸せ」だと思う。それはなぜか。ポイントは三つあると考える。一つ目は「コミュニケーション」だ。フィリピンの人はとてもラフである。すれ違うたびに挨拶され、少し距離があっても目に入れば手を振ってくる。ある日、現地の若者たちとバスケットボールをする機会があった。男女混合だったが何も気にしない。日本人だったら少しは怪訝に思うことも彼らは受け入れてくれる。本当に、誰が家族で誰が友達なのかが全く分からないのだ。二つ目は「無償の愛」である。現地でボランティア活動をされている方々と行動を共にできる機会があった。聞けば彼らは、子供たちの健康状況を把握するためにフィリピン全土の家々を巡り、5歳児未満の身長と体重を測定しているという。しかも無償で。こんなことが自分にできるだろうかと思い、彼らに感激したと同時に自分の未熟さも知れた。三つ目は「笑顔」だ。11日もの間フィリピンにいたが、現地の方々の訝しげな顔を私は一度も見たことがない。常に笑っているのだ。現地のお姉さんがこんなことを言っていた。「私たちはみんなに喜んでもらいたい。だからいつも笑ってるんだ。」と。素晴らしいことだと感銘を受け、改めて笑顔の力を思い知った。

 以上3つのポイントを述べたが、これらの根源が存在すると私は感じた。それは「隣人愛」である。フィリピンではキリスト教を重んじている。聖書には「隣人を愛すること」と書かれており、これが私の感じた全ての幸福に繋がっていると思う。

 ボランティア活動を全うしていた折、現地の男性からこんなことを言われた。「君たちは僕のヒーローだ!」と。時折「私はここに笑顔を届けに来たのに、逆に与えられてばかりではないか。」と思うことがあった。そんな時にかけられた声に、自分の行動が意味のあるものだと知れてとても嬉しかった。またこの活動を共にしたメンバーにも感激している。西南タイムで一人一人その日の感想を述べるのだが、みんな同じ場所で同じ時間を過ごしているのに、各々が気づいていないことに気付いている。とても刺激的な時間だった。この報告書を読んでいるあなたも、活動を共にする中で素敵な出会いが待っているだろう。

 最後に。何かを学ぶためには新しい一歩を踏み出し、体験しなければならない。そうして見たもの・感じた想いは、自身の想像だけでは何も理解できていなかったことを教えてくれる。ということを伝えたい。この11日間の出来事をこれからどう生かしていくか。私はさらに前へ進んでいきたい。

人々の温かさと思いやりを感じたフィリピンボランティア
木薮 実紀 人間科学部 児童教育学科
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 私がフィリピンでの海外ボランティアワークキャンプに参加しようと思った最初のきっかけは、挑戦しようと思ったことがあってもすぐに後回しにしてしまったり、逃げってしまったりすることの多い自分を変えたいと思ったことである。ちょうどこのような感情が高まっているときにこのワークキャンプが開催されることを知り、心が動かされ、参加を決意した。さらに、大学生である今、海外の現状について自分の目で見たり、実際に現地の方々とに交流したりする中で知ることで、そこでしか得られない経験を積み、自分の中に新たな知識や感情が芽生えることを期待した。

ボランティアメンバーとして参加できることが決まり、事前研修を重ねていく中で、大きな期待もあった がもちろん不安もあった。私自身、海外でのボランティア活動の経験はなく、フィリピンについても全くと 言っていいほど知識がなかった。配布された資料を読んだり、自分でフィリピンについて調べてみたりしてはいたが、知識はまだまだ不十分なまま、あっという間にボランティア活動の日はやってきた。

実際にフィリピンでの様々な活動を通して、確かに英語力等の知識も必要であるとは感じたが、それ以上にコミュニケーションを取ろうとしたり、心から人と接しようとする素直な気持ちが大切であるということに気づかされた。フィリピンの方々は温かい眼差しで真っすぐに目を見て、こちらと素直な気持ちで関わりを持とうとしてくれる。それは決して当たり前のことではないと思うが、フィリピンの方々にとってはそれは当たり前であると感じるような場面がたくさんあった。一例として、ボランティア活動の中で、教会のリ ノベーション作業があり、そこで壁にペンキを塗る場面があったのだが、疑問を聞こうとする前にすぐに気づいて教えてくださったり、表情一つにもすぐに気づき、気遣ってくださったことが挙げられる。フィリピンの方々は周りの事をよく見ていて、その思いやりの気持ちに見返りを求めるような感情はないように感じた。そのような素直で温かい思いを私も人に与えられるようになりたい、見習いたいと心から思った。さらに、消極的な自分を変えるために、積極的に人と関わろうと努力していたのだが、そんな私のことも優しく受け入れてくださった。

ボランティアとして活動を行っていたが、与えられたものほうが多かったことを実感している。そして、フィリピンの方々だけでなく、メンバーの皆も温かく、このメンバーで活動することができて本当に良かったと思う。初めに期待していた以上に自分を変えることのできるような新たな感情や経験を積むことができたことに感謝し、無駄となることのないようにこれからに活かしていきたい。そして、フィリピンの方々のように日々笑顔で楽しく過ごしていきたい。


ありがとうの大切さ、笑顔のすばらしさ
能美 泰成 人間科学部 社会福祉学科
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志望理由書に私は、日本とフィリピンの間に「笑顔の架け橋」を架けたいと語っていた。それで今回初めてフィリピンの海外ボランティアに参加させていただいて、実際に貧困が激しい村に行って村の人たちと共同生活を行っていたが、もう行く前から見えない笑顔の架け橋は架けられていた。決して村の状況としては、有意義なものではない。お湯がない、便座がない、自分たちの立場からしたらありえない光景なのに、フィリピンの人たちにとっては、これが常識であり、日常的なものである。フィリピンの人たちはこの生活は大変であるはずなのに、毎日満面の笑みを浮かべながら本当に楽しそうに会話している姿が見られる。私はその光景を毎日見てきて、日本とフィリピンの「距離感」の違いを感じた。日本は初対面の人には、思わず緊張してしまい壁を作ってしまうが、フィリピンではそんな概念がなく、気軽に話しかけてくれて、気軽に友達になってくれる。教会訪問の時も感じたが、同世代の男性から「バスケしよう!」って気軽に誘ってもらえた時も純粋に嬉しくて、幸せを感じた。だから日本では、自分を知るためによりたくさんの人との「出会い」を大切にし、その受け取った賜物(出会い)を大事にし、一歩ずつ成長していかなければならない。フィリピンに来てから様々な場面で、「笑顔」と「幸せ」の意味を深く考えさせられる機会が増えた。ここまでフィリピンの人たちが笑顔を絶やさない理由は、見えない信頼と団結力があるからこそであろうと感じた。ただ全ての村が決して笑顔であるわけではない。私たちは学習ツアーで、IPOダムというダムの川の先にある村に訪れた。

フィリピンがくれたもの
辻千里 国際文化学部 国際文化学科
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このフィリピンでの11日間は、「幸せ」について考えるきっかけをくれました。今まで私は、日本で不自由のない生活を送ってきて、自分が不幸だと感じることはほとんどなかったと思います。でも、ワークキャンプに行く前の自分が、胸を張って「幸せだ」と言えていたかというと、そうではありませんでした。一方で、フィリピンでの生活は、日本とはまるで違って、決して便利な生活とは言えませんでした。最初は戸惑い、11日間やっていけるのか不安な気持ちでいっぱいだったけど、気がつけばあっという間に最終日になっていて、まだ帰りたくないと思うほど、幸せな毎日でした。それは、現地の人たちから、たくさんの温かさを感じたからだと思います。活動する場所や内容は、日によって違って、その分感じること、考えることも様々だったけど、毎日変わらず感じていたのが、人々の温かさでした。目が合ったらすぐに笑いかけてくれる。言葉が通じなくて、伝えたいことが上手く伝えられないときでも、何度でも耳を傾け、理解しようとしてくれる。「困ったことない?疲れてない?よく眠れた?」っていろんなことを気にかけてくれる。そんな温かさに、自分自身も温かい気持ちになったり、疲れたときには励まされたりしました。些細なことかもしれないけど、これらのことが自分にとってはすごく嬉しくて、幸せでした。

また、リノベーション作業をした教会を訪れたとき、友達なのか家族なのか分からないくらい、みんな家族のように仲が良かったのが、とても心に残っています。1日体験でお世話になった家庭でも、近所の子ども達が集まってきて、家族とか隣人とか関係なく、にぎやかで笑顔があふれていました。その輪の中にいるだけで、言語は違っても、とても楽しくて、笑顔はまさに世界共通なのだな、と実感しました。一人で笑うことはできない。だから日本で一緒に笑いあえる誰かがいることに、もっと感謝して、周りの人のことを大切にしていきたいと感じています。

フィリピンの人たちのために何かしたい、という気持ちで参加したワークキャンプだったけど、たくさんのことをもらった11日間でした。自分の周りの環境が当たり前ではないこと、小さな幸せで溢れていること、人とのつながりの大切さに改めて気づかされました。たった11日間だけど、間違いなく自分の中で大きな11日間になりました。関わってくれたすべての人に感謝して、これからも自分にできることを考えていきたいです。

『他国の生活』での学び
濱田乃瑛 法学部 国際関係法学科
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私はボランティア・ワークキャンプに参加し、『貧困』に対する考え方が出発前と大きく変化しました。そもそも、今回応募に至った経緯は、高校の修学旅行で訪れたカンボジアで経験した、小さなボランティアがきっかけです。そこで、異文化に興味を持った私は、様々な国に行き他国の実生活を体験したいと思いました。そんな漠然とした考えと共に、恵まれた日本では気づくことのできない日常を、海外ボランティアで体感し、誰かの役に立てる活動が出来ればとも考えました.。

日本においての『裕福』とは、お金に不自由なく生活し教育や医療が満足に受けられること、また『貧困』とは、それを満足に受けられないことと認識している人が多いのではないかと感じます。今回、フィリピンの現状を目の当たりにし、現地の人々が何に対して幸せを感じているかを知ることによって、自分の思い込みが大きな勘違いであったことに気づかされました。フィリピンの人々は、私たち日本人を家族のように受け入れ、現地で安心して生活できるよう、たくさんの時間を共有してくれました。温かいおもてなしの心でいつも迎えてくれます。

そんな彼らの日常生活は、水しか出ないシャワー、便座のないトイレ、蛇口から綺麗な水が出ないなどはあたりまえで、日本よりはるかに生活水準も低いと痛感することが多々ありました。しかし、どんな環境下においても、現地の子供たちはいつも明るく、一緒に歌ったり踊ったりして私たちを楽しませてくれます。タガログ語や英語が伝わらない場面でも、表情やジェスチャーで必死にコミュニケーションを取ってくれました。そんな彼らと同じ時間を過ごすうちに、私の中での『貧困』に対するイメージは日に日に大きく変わっていきました。また、彼らはどんなときもキラキラとした笑顔が印象的で、恵まれている日本人が忘れがちな、心の底からの笑顔とそこから溢れ出る幸せに囲まれています。私もふと気付けば、子供たちと一緒に手を叩き、踊り、歌い、会話を交わすなど、彼らと同じように自然と笑顔になっていました。ありのままの自然体がとても素敵な生活スタイルであり、価値のある時間だと心から感じることも出来ました。

発展の遅れた国で不便な生活をしていると思っていた彼らの幸せの基準は、実は日本人よりも遥かに質の高いものなのかもしれません。幸せの受け取り方は、自分との向き合い方、考え方一つで異なるものだと思います。彼らの豊かな表情と不便な生活を感じないほど満たされた心は、純粋に羨ましく輝かしくも感じました。

日本にはフィリピンにないたくさんのものが溢れ、比較すれば便利で快適に過ごせることは間違いありません。そして、普通の日常の中に大切なものがあるということを、私はこのフィリピンという地で、肌と心で実感することができました。

また、今回の活動により、考え方に感銘を受け尊敬できる人との出会いをはじめ、共に過ごした仲間との絆、身の回りにある小さな幸せに気付けたことが何より大きな財産となり、参加できたことに感謝しています。今後は、活動を通して感じた一つひとつの問題に焦点を置き、今の自分に何ができるのかを考え、実際に見たフィリピンの現状を伝えていける存在になりたいと思います。

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